記事のポイント
- 地球温暖化の原因とされる温室効果ガスは二酸化炭素だけではない
- 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)では7種類の温室効果ガスを取り扱う
- 稲作や廃棄物の埋め立てから排出するメタンはCO2の25倍の温室効果
温室効果ガスは二酸化炭素(CO2)だけではない。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)で取り扱っている7種類の温室効果ガスは次の通りだ。(オルタナS編集長=池田 真隆)

二酸化炭素(CO2)
メタン(CH4)
一酸化二窒素(N2O)
ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)
パーフルオロカーボン類(PFCs)
六フッ化硫黄(SF6)
三フッ化窒素(NF3)
CO2の主な排出源は、よく知られている通り、石油やガスなど「化石燃料」の燃焼によるものだ。全国地球温暖化防止活動推進センターによると、日本の温室効果ガス排出量のうち、CO2が占める割合は約90%だ。世界全体では約80%と、やや低い。
メタン(CH4)は常温で気体。家庭や事業所で使う天然ガスの主成分であるほか、稲作、家畜の腸内発酵、廃棄物の埋め立てなどによる排出がある。
温室効果ガスは種類によって、「地球温暖化係数」がある。二酸化炭素(CO2)を「1」とした場合、メタンは「25」。つまり、CO2よりも25倍の温室効果があることを示す。
一酸化二窒素は、窒素肥料の使用や、家畜からのたい肥製造の過程で排出するが、自然の土壌からの発生量が最も多い(国立環境研究所)。CO2などのような害はないものの、地球温暖化係数は「298」に達する。
強力な温室効果ガスとして知られるのは、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)などの代替フロンだ。主な排出源は、エアコンや冷蔵庫などの冷媒配管からの漏えいや、化学物質の製造プロセスだ。地球温暖化係数は「675〜14800」に上る。
パーフルオロカーボン類(PFCs)も代替フロンで、その温暖化係数は「7390〜12200」と非常に高い。半導体の製造プロセスで排出することが多い。
六フッ化硫黄(SF6)は硫黄の六フッ化物だ。地球温暖化係数は7種類の中で最大の「22800」で、とても強力な温室効果ガスである。電気の絶縁体などから排出する。
三フッ化窒素(NF3)はハイドロフルオロカーボン類と同様に半導体の製造プロセスなどで排出される。地球温暖化係数は「17200」と非常に高い。