記事のポイント
- ハリズリーグループのキューが「海底ダイヤ」を11月から6店舗で販売する
- 海底ダイヤは海底で採取され環境負荷の少ない点が特徴だ
- 取引する英国企業は成人の専門ダイバーを雇うなど、強制労働を排除する
ハリズリーグループの宝飾品販売のキュー(東京・中央)は11月より全国店舗で「海底ダイヤモンド」の取り扱いを開始する。海底ダイヤの取り扱いは国内で初となる。海底ダイヤは、雨風で鉱山のダイヤが地層ごと流されて、長期間をかけて海底にたどりついたもの。採掘による環境破壊を防ぐ。取引する英国のオーシャン・ダイヤモンド社は採取する現地で成人の専門ダイバーを雇い、強制労働も排除する。 (オルタナ編集部・萩原 哲郎)

キューは「海底ダイヤ」を使った婚約指輪など11の型を9月から銀座店で先行販売を開始した。11月15日から、横浜、名古屋、金沢、大阪の各店で販売する。11月中旬にオープン予定の京都店でも取り扱う。
婚約指輪に使う「海底ダイヤ」にはトレーサビリティーを明記した証明書と、天然ダイヤと同様の米国宝石学会(GIA)の鑑定書がつく。
国内で海底ダイヤを取り扱うのは初となる。同社広報担当者は「これまでの市場では海底ダイヤを鉱山で採取したものと区別して流通していませんでした」と明かす。
オーシャン社は南アフリカの海でダイヤモンドを採取・探査する権利を有し、同国のライセンスを得ている。原産国や採取した海岸地域、誰が採取したのかなどのトレーサビリティーも記録する。採取するダイバーは現地の成人を雇用し、強制労働や児童労働を排除する。採掘によって生じる環境負荷も低減する。
キューはこれまでも取り扱うダイヤモンドは、「紛争ダイヤモンド」ではないことを証明する、キンバリー・プロセス証明制度の加入国のみのものを扱ってきた。オーシャン社の取り組みに共感し、今回の取り扱いが実現した。