「ROHTO Well-being Report」 ロート製薬統合レポート2022では、「当社の存在意義(パーパス)は、世界の人々に商品やサービスを通じて『健康』をお届けすることによって、 当社を取り巻くすべての個人や社会を『Well-being』に導くこと」だと「Well-being経営」を強調しています。 (オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

同社では昨年から統合レポートを、2019年に策定した「ロートグループ総合経営ビジョン2030 ーConnect for Well-beingー」を踏まえ「ROHTO Well-being Report」と名付けています。
同社は「Well-being」を、1946年採択の世界保健憲章に鑑み「肉体的健康、精神的健康、社会的健康、そしてそれを取り巻く環境面の健康、すべてにおいて満たされた幸福な状態」と捉えています。
同社は「Well-being経営」を、「『Well‐being』の輪を広げていくために、『健康』『美』『サイエンスに基づく高い品質』『一人ひとりが自律し、チャレンジを続ける企業文化』といった事業的強みや文化的特徴をベースとし、世界中の人々が、健康で笑顔あふれる幸せな毎日を過ごしながら、長寿を全うできる社会環境の実現を目指し、社内外の仲間と手を携え挑戦し続けること」と意味付けています。
Well-being経営を持続可能にするためのキーワードが、「長期視点経営」「健康ポートフォリオの拡大」「各地域における自前のモノづくり」の3点です。
「長期視点経営」とは、「事業活動による利益をステークホルダーに持続的に還元するため、長期視点から持続的に社会に貢献する」こと、「各地域における自前のモノづくり」とは、「地域や社会に必要な目線と品質へのこだわりを追求し世界中の方にWell-beingを届ける」ことを示します。
杉本雅史代表取締役社長は、トップメッセージの中で「皆さまに『Well-being』をお届けし続けるためには、サステナブルな組織を運営すること、私たちが持続的に成長していくことが大切です。改革をさらに推し進め、ステークホルダーの皆さまとConnectしていくことで、Well-beingな社会の実現を目指してまいります」と記しています。
ウェルビーイングに関する調査を実施しているギャラップ社(米国)は、ウェルビーイングについて「5つの要素」すなわち「Career Wellbeing」「Social Wellbeing」「Financial Wellbeing」「Physical Wellbeing」「Community Wellbeing」を定義しています。
ロート製薬社におかれましても、「5つの要素」の視点で情報公開されてはいかがでしょうか。