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第1章:日本と世界におけるCSRの現況
1ー3:世界のCSRをめぐる動き
■NGO/NPOが企業のCSRを後押し
CSRは本来的には、古今東西に共通の概念といえる。世界で最も早く「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)」という表現を使ったのは、英国人クエーカー教徒のオリバー・シェルドンが1924年に書いた論文「経営の哲学」とされ、これが「CSR」という言葉の発祥とされている。
18─19世紀、英国社会から異端と見なされて迫害されていたクエーカー教徒は、自衛策として、いくつかの企業を立ち上げた。クロレッツやホールズで知られる「キャドバリー」もその1つだ。公共の職にも就けず、大学にも行けない彼らにとって、自分たちのビジネスが信者を支える手段となった。華美を慎み、隣人をおもんぱかるクエーカーの教義も、利益を最優先しない企業の原型と見ることができる。
欧米企業のCSR活動をあらためて振り返ると、その背景にはNGO/NPOや地域社会などのステークホルダー(利害関係者)が密接にかかわってきた。特に、20世紀後半に経済のグローバル化が進むにつれて、企業とステークホルダーとのかかわりが一層深まっていった。
■ロイヤル・ダッチ・シェルの「2つの教訓」
■ナイキによる児童労働に批判
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