花王、CDPから3年連続「トリプルA」 世界でもわずか1.3%

記事のポイント


  1. 花王は12月13日、国際NGO CDPからトリプルA評価を受けたと発表
  2. CDPは企業が開示した環境情報をもとに8段階で格付けする国際NGO
  3. トリプルA評価を受けた企業は評価対象1万社以上の内わずか12社(1.3%)

花王は12月13日、国際NGO CDPからトリプルA評価を受けたと発表した。CDPは企業に「気候変動」「森林」「水」領域について質問を送り、その回答をもとに企業を8段階で格付けする団体だ。130 兆米ドル以上を保有する 680 以上の投資家と協力する。花王は3分野すべて最高位「A」のトリプルA評価を受けたが、2022年にこの評価を受けた企業は評価対象1万社以上の内わずか12社(1.3%)だった。(オルタナS編集長=池田 真隆)

太陽光発電設備を取り入れた花王栃木工場

花王は2020年にトリプルA評価を受けており、今年で3年連続の快挙となった。分野別では、「気候変動」分野でA評価を受けたのは4回目、「フォレスト」分野は3回目、「水セキュリティ」分野は6回目だった。

同社のデイブ・マンツ常務(ESG部門統括)は、「今回の選定で、生活者一人ひとりのサステナブルなライフスタイルの実現に向けて行ってきた行動に間違いがないことが再確認できた」と喜びを語った。

同社では2019年にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」を策定した。この戦略では、「脱炭素」など19の重点取り組みを定めていた。

2040 年までにカーボンゼロ、2050 年までに排出量を吸収量が超す「カーボンネガティブ」を野心的な長期目標として掲げる。

「気候変動」に関しては、国内のすべてのロジスティクス拠点(55 カ所)と酒田工場で再生可能エネルギーを導入し、2030 年までに使用エネルギーを100%再生可能エネルギーに切り替える。

「フォレスト」については、、パーム油サプライチェーンの課題を特定し、インドネシアの小規模パーム農園を支援する。「水セキュリティ」分野では小規模分散型水循環社会を目指す取り組みなどが評価された。

CDPの2022年のリストでA評価を受けた日本企業は91社に及び、国別では世界最多だった。気候変動のAリストに入った日本企業は74社、フォレストAリストは4社、水セキュリティAリストは35社だった。

CDPは英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)だ。2022 年には、世界約2万超の組織がCDPを通じてデータを開示した。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に準拠しており、世界最大の環境データベースを保有する。

・2022年Aリスト入り企業はこちら

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #脱炭素

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