日産と積水ハウスがEV普及、住環境で「買えない」無くす

記事のポイント


  1. 日産自動車と積水ハウスがEVを購入しやすい住環境の環境の整備へタッグ
  2. EV購入検討は7割超も集合住宅に住む多くの人が「充電器がない」と断念
  3. 特設サイトで集合住宅への充電器導入の方法などを発信、3月にイベントも

日産自動車と積水ハウスは12日、集合住宅に住んでいてもEVを購入しやすい環境の整備へ「+e PROJECT(プラスイープロジェクト)」を立ち上げた。日産の調査によれば、集合住宅に住む人のEV購入を検討する人は7割以上に上る。一方で、集合住宅に住んでいることで購入が難しいと考える人が8割を超えた。プロジェクトでは、特設サイトを通じて集合住宅への充電器導入方法などの発信のほか、3月にイベントを実施する。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

日産自動車と積水ハウスがタッグを組んで、EV普及に取り組む

今回立ち上げた「プラスイープロジェクト」では、集合住宅に住んでいてもEVを購入しやすい住環境の整備を目指す。

日産自動車は昨年12月に、集合住宅に住みEV購入を検討している人を対象にEVと住環境の関連性について調査を実施した。

直近3年間でEVの購入を検討した人は76.8%と、EVへの関心の高まりを示した。その一方で、「集合住宅に充電がないことで購入が難しい」と考える人は90%近くに上った。実際に居住する集合住宅でもEVの充電ができる駐車場が「ない」と答えた人は約80%だった。

充電器を設置した集合住宅が少ないことが、EV購入のハードルのひとつとなっていることを示した。

そこで同プロジェクトでは、特設サイトを通じて集合住宅に充電器の導入方法の発信やEV充電器設置に関するコンテンツの提供や、イベントなどを行う。

イベントの第一弾は、集合住宅でEVのある暮らしができる宿泊体験イベント「+e 試住」だ。3月に横浜市内の「シャーメゾンZEH」で実施する。

イベントでは「食体験」「防災シミュレーション」「ペットとの暮らし」の3つのプランを用意。それぞれでリーフ機能体験や試乗、リーフからの給電による屋外調理などが体験できる。

宿泊体験イベントに参加できるのはそれぞれのプランで1組2名(計3組6名)の「狭き門」だ。ただ今後も様々なイベントを開催する予定。充電器のベンダーなどと連携したイベントなどもあり得そうだ。

積水ハウスでは取り組みを通じて、住宅に充電器を設置することでの効果を探りたい考えだ。充電器をつけることで物件の価値向上につながれば、集合住宅への推進にも弾みがつく。

日本では21年に当時の菅義偉首相が「2035年までに新車販売で電動車100%の実現」を掲げた。今回の取り組みが、EV普及に向けたハードルをひとつクリアすることに期待がかかる。

2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

執筆記事一覧
キーワード: #EV

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。