英国の俳優エマ・トンプソンさん、スティーヴン・フライさん、マーク・ライランスさんらはこのほど、HSBCなど英5大銀行に対し、化石燃料プロジェクトへの新たな融資を止めるように求めた。英ガーディアン紙などが報じた。英国では、こうした著名人が環境問題を訴える例が少なくない。(オルタナ副編集長=吉田広子)

テレビシリーズ「Mr.ビーン」や映画「ラブ・アクチュアリー」で知られる脚本家・監督のリチャード・カーティスさんは2020年、英国の3兆ポンド(約480兆円)の年金基金の運用を持続可能にすることを目指す「メイク・マイ・マネー・マター」キャンペーンを立ち上げた。
同キャンペーンは、HSBC、バークレイズ、サンタンデール、ナットウエスト、ロイズの最高経営責任者宛てに、石油、ガス、石炭のプロジェクトに対する融資を停止するように求める公開書簡を送った。「化石燃料産業は銀行なしでは存在できない」として、一般にも署名を呼び掛けている。
エマ・トンプソンさんら著名人も同キャンペーンを支持している。
「メイク・マイ・マネー・マター」の公開書簡では、「英5大銀行は、2016 年から 2021 年の間に化石燃料を拡大する50 社に 1410 億ドル(約18兆円)を供与した」として、次の3つを求めた。
1. 化石燃料を拡大する活動への直接融資を停止する
2. 化石燃料プロジェクトの拡大を停止するか、財政結果に直面することをクライアントに通知する
3. クライアントが化石燃料の拡大を止めない場合は、関係を終了する