サラヤが「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞に

記事のポイント


  1. 「第13回 日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の表彰式が開かれた
  2. 業績や株価重視ではない、人を大切にし、正しい経営を行う会社を増やすことが目的だ
  3. 「人」とは、「従業員とその家族」「外注先・仕入先」「顧客」「地域社会」「株主」を指す

「第13回 日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の表彰式が3月17日に開かれた。同賞は、「従業員とその家族」「外注先・仕入先」「顧客」「地域社会」「株主」を大切にすることで業績を上げる企業を顕彰している。第13回は、経済産業大臣賞にサラヤ/東京サラヤ(大阪市)、厚生労働大臣賞にリハプライム(さいたま市)、地方創生大臣賞に北國フィナンシャルホールディングス(金沢市)が選ばれた。(オルタナ副編集長=吉田広子)

「第13回 日本でいちばん大切にしたい会社」大賞表彰式で

「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞は2010年、「人を幸せにする経営」を行う企業を応援し、そうした企業を増やすことを目的に始まった。「財務評価」「経営評価」などの定量的な審査に加え、現地訪問を行い、総合的に審査する。

人を大切にする経営学会の坂本光司会長(元法政大学大学院政策創造研究科教授)は「13年前、『良い会社』のモノサシを根本的に変えたいという思いで始めた。業績や株価重視ではない、人を大切にし、正しい経営を行う会社を増やすことで、日本を再生したかった」と経緯を語る。

同賞の応募資格は、過去5年にわたり、次の6条件を満たしていることだ。これが「人を大切にする経営」の最低限の条件となる。

サステナX

1.希望退職者の募集や人員整理(リストラ)をしていない
2.重大(死亡や重症)な労働災害を発生させていない
3.一方的なコストダウンなど理不尽な取引を強要していない
4.障がい者の雇用率は法定雇用率以上である

※常勤雇用43.5人以下の企業で障がい者を雇用していない場合は、障がい者就労施設などからの物品やサービス購入など、雇用に準ずる取り組みがあること
※本人の希望などで、障がい者手帳の発行を受けていない場合は実質で判断する

5.営業黒字で納税責任を果たしている(新型コロナウイルスの感染拡大などの影響による激変は除く)
6.下請代金支払遅延防止法等の法令違反がない

経済産業大臣賞に選ばれたサラヤ/東京サラヤは、洗剤やアルコール手指消毒剤など「衛生・環境・健康」の3分野で事業を行っている。国内外に拠点を構える同社は、従業員やその家族の「衛生・環境・健康」も、会社の健全な成長を支える基盤ととらえ、多様性を尊重し、一人ひとりのウェルビーイングの実現を目指してきたという。

リスキリングにも力を入れ、外部の専門家を呼び、職種に限らず誰でも参加できるマーケティング勉強会を月に1回開催する。階層別の研修や2週間にわたる新人研修など人材育成を強化している。

このほか、第13回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の受賞企業は次の通り。

■第13回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞

・経済産業大臣賞 
サラヤ株式会社/東京サラヤ株式会社

・厚生労働大臣賞
リハプライム株式会社

・地方創生大臣賞
株式会社北國フィナンシャルホールディングス

・中小企業庁長官賞
株式会社陽和

・中小企業基盤整備機構理事長賞
株式会社長岡塗装店

・審査委員会特別賞
株式会社アシスト
栄研化学株式会社
株式会社金見工務店
グリンリーフ株式会社
SATO社会保険労務士法人
株式会社スマイルリンク
高田舗装株式会社
株式会社たこ満
田島株式会社
株式会社天彦産業
トモヱ乳業株式会社
株式会社ナプロアース
株式会社坂東太郎
株式会社ピエトロ
株式会社フジワラテクノアート
株式会社宮田運輸
株式会社リードビジョン
株式会社リペアサービス

・実行委員会特別賞
総社市役所
株式会社リンクライン

yoshida

吉田 広子(オルタナ輪番編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。2025年4月から現職。執筆記事一覧

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キーワード: #ビジネスと人権

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