記事のポイント
- 公正取引委員会が「グリーン社会」実現に関する独禁法上の考え方を公表した
- このガイドラインでは独禁法違反になる行為、ならない行為を明示した
- 違反事案としては、イノベーション阻害(競争制限)やカルテルなどを挙げた
公正取引委員会はこのほど、環境負荷と経済成長の両立を目指す「グリーン社会」の実現に向けて、企業などの活動に関する独占禁止法上の考え方(指針)をまとめた。指針では、独禁法違反になる行為・ならない行為を詳しく明示した。具体的にはイノベーション阻害(競争制限)や、カルテルなどを挙げた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

公取委は3月31日、「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法の考え方」を公表した。脱炭素に向けた企業連携などについて、独占禁止法違反になる行為とならない行為を76の想定例として紹介した。公取委が脱炭素に関する独禁法の指針をまとめたのは初めてだ。
2050年のカーボンニュートラルに向けて、国際社会は「脱炭素」に舵を切ったが、同時に「グリーンウォッシュ(環境によいことをやったふり)」問題が顕在化してきた。欧州では政府がグリーンウォッシュへの監視を強化する動きが相次ぐ。
英国の公正取引委員会(CMA)は今年1月、消費者保護の視点から、環境への配慮をうたう食品、飲料、洗剤、セルフケア用品などの消費財についても、「グリーンウォッシュ」の監視対象とすると発表した。
■政府与党や経団連から指針策定を求める声が