記事のポイント
- アストラゼネカが25年までにEV100を目指す、これまでに営業車の46%をEV化
- グローバルでの導入は1割程度、欧米に比べても導入割合高く
- スコープ1・2排出ゼロ目標へ不可欠だが充電インフラなどの課題も
アストラゼネカは2025年までにEV100を目指す。日本法人ではこれまでに営業車の46%のEVへの転換を行った。グローバルでの導入は1割程度で、日本の比率は欧米に比べても高い水準にある。同社は2025年にスコープ1・2排出ゼロ目標を掲げていて、EV100の実現は不可欠だ。一方で充電インフラなど、課題も多い。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)
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アストラゼネカはこのほど、22年度の業績報告とサステナビリティ活動の進捗についての記者会見を行った。
アストラゼネカは脱炭素目標として20年に「アンビション・ゼロカーボン」を宣言した。このなかで、25年までの自社GHG排出量ゼロ、30年までのバリューチェーン全体でのカーボンネガティブ達成を掲げる。25年までにグローバル全拠点でRE100、EV100の達成なども目標にしている。
同社は22年までの進捗として「グローバル、日本法人ともに目標に向け着実に前進」していると報告した。スコープ1・2のGHG排出削減割合(15年比)はグローバルが59%、日本法人が64%。再生可能電力への移行はグローバルで91%、日本は100%となった。
EV100への取り組みも進んだ。EV100は国際企業イニシアティブで、事業活動で使用する車などを100%ゼロエミッションにすることを目標とする。日本企業では7社が参加する。アストラゼネカはグローバルで1万6000台の車両のEV化を掲げる。
日本法人では営業で使用する車両のEVの導入割合が46%となった。1854台の営業車両を保有するが、うち850台がEVだ。ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などを含めると、95%の1761台となる。
アストラゼネカは世界100カ国以上に拠点があり地域ごとに導入のハードルが異なる。それでも日本法人の割合は「欧米に比べても高い水準で推移している」(吉越悦史CFO)。
EV100に向けては、価格面、車種、充電インフラといった課題にも直面する。たとえば車種では、豪雪地帯の営業車として4WDを導入するが、EVの4WDとなると選択肢が少なかった。4月からSUBARUの「ソルテラ」8台を試験導入した。
充電インフラも課題となる。吉越CFOは「44%の市町村で急速充電器は未設置」と、営業車のEV化に向けてインフラ未整備も課題であることを指摘した。