記事のポイント
- 第一三共ヘルスケアの薬のシートリサイクルの回収量が目標の3倍に
- この結果を受け9月末までの実証期間の回収量を50万枚に上方修正した
- 今後は業界全体への拡大やシート以外の容器や箱のリサイクルも検討へ
第一三共ヘルスケア(東京・中央)が行う「おくすりシート」の回収・リサイクルの実証実験で、シートの回収量が当初目標の3倍となる28万枚を回収した。当初は今年9月末までの約1年で10万枚回収するという目標だった。これを受けて、9月末までの回収量を50万枚に上方修正した。実証実験終了後には、この取り組みを業界全体に拡大していくことや、シート以外の容器や箱のリサイクルも検討する。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

第一三共ヘルスケアとテラサイクルジャパン(横浜)が共同で昨年10月から「おくすりシートリサイクルプログラム」を進めていた。回収に協力するとテラサイクルからポイントが付与されて、同社製品や環境保全活動への寄付に利用することができる。
薬の包装はアルミニウムとプラスチックでできていて、リサイクルすることが可能だ。国内の年間生産量は1万3千トンに及ぶ。高齢化に伴い、この量は今後も増加する。しかし、リサイクル資源としての認知度が低く、回収量も少ないのが現状だった。
今回、回収量が当初目標を大幅に上回るとともに、回収拠点数も当初目標の30拠点に対して、すでに40拠点となっている。回収拠点数も実証期間を終了する9月末までに60拠点を目指す。
第一三共ヘルスケアの古市亜美サステナビリティ推進マネジャーは「プロジェクト開始から約半年間、各所からお問い合わせをいただいた」と話し、関心の高さがうかがわれる。
第二弾の実証実験も検討しており、その際にはエリア拡大も視野にいれる。同業他社とのタッグや、シート以外の医療品包装資材のリサイクルの仕組みについても検討を進める。
回収したシートのリサイクルは実証期間終了後に実施する予定だ。