記事のポイント
- イオングループの農業法人は28年までに直営農場を有機に転換する
- 農場の広さを生かして土を休ませながら有機割合を高めていく
- 有機農産物は品目が広がり消費者からの需要も高まりを見せる
イオングループの農業法人、イオンアグリ創造(千葉市)は2028年までに直営農場を有機農業に転換する。同社の直営農場の規模を生かして、土を休ませながら有機割合を高めて転換を図っていく。有機農産物はニンジンやジャガイモなど品目が広がり、消費者の需要も高まっている。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

■同社初のJAS有機認定の埼玉日高農場をモデルに
オルタナの取材に対して、イオン広報担当者は「イオンアグリ創造の直営農場の有機転換は社内の目標として定めた」とした。
グループでPB商品を企画開発するイオントップバリュ(千葉市)では有機食品の売上高を25年までに22年比で3倍増の600億円を目指している。契約農家に対して有機への転換も依頼していくが、自社グループでの供給体制も整える。
イオンアグリ創造では直営農場が20ある。このうち養液栽培を行う埼玉久喜農場を除く、19農場を有機に転換する。1つの農場で有機に転換するには、3年ほどかかる見込みだ。平均で13haという規模を生かし、土を休ませながら農場の有機割合を高めていく。
19農場のうち、すでに埼玉日高農場では有機農産物を育てている。日高農場はイオンアグリ創造で初めてJAS有機認定を取得した農場だ。広報担当者は「埼玉日高農場をモデルに、各地の気候や土の状態を考慮しながら水平展開していきたい」と語った。
農水省は有機農業の拡大を目指しており、2050年までに有機農業の割合を25%、100万haにすることを目指す。市町村単位で有機農業を推進する「オーガニックビレッジ」の取り組みも進める。
流通大手が取り組むことは、有機農業拡大に向けた大きなインパクトになりそうだ。