記事のポイント
- 西武信用金庫が老舗企業を集めた「西武100年企業の会」を立ち上げ
- 同金庫と取引する創業100年以上の企業55社が会員だ
- 危機を乗り越えた老舗企業の経営の知見やノウハウなどを会員間で共有する
西武信用金庫は6月22日、老舗企業を集めた「西武100年企業の会」を立ち上げた。同金庫と取引する創業100年以上の企業55社が会員だ。危機を乗り越えた老舗企業の経営の知見やノウハウなどを会員間で共有し、サステナ経営を追求する。(オルタナS編集長=池田 真隆)

西武100年企業の会は、老舗企業の交流を促すプラットフォームだ。西武信用金庫の29支店と取引する55社が同会に加盟した。
今年9月で関東大震災から100年を迎える。大震災によって関東に拠点を構える企業の倒産が相次いだ。老舗企業はどのようにして苦難を乗り越えてきたのか、同会ではそのノウハウを共有し合う。
会員企業の経営者による講演や企業訪問、スタートアップ企業との連携など多彩な活動を展開する。
西武信用金庫の高橋一朗理事長は、「いたずらな拡大ではなく、丁寧な成長を追求するのが21世紀の経営にふさわしい。社員、取引先、地域も大切にしないといけない。この会で老舗企業の知見を共有し合い、地域社会の繁栄にも貢献していきたい」と話した。

■「社会ニーズ」は「好奇心」で見出す
同会で最も創業が古い会員は、弓具の製造・販売を行う小山弓具(東京・千代田)だ。創業したのは1780年で、200年以上伝統技術を継いできた。
同社の小山雅司会長は、「江戸時代、明治維新、太平洋戦争など大きな危機は3回ほどあった。危機を乗り越えてきた経験を共有させて頂き、会員の皆様の知見も学ばせて頂きたい」と同会への期待を話した。
経営を持続可能にするためには、「好奇心」が重要だと強調した。常に世の中へのアンテナを張り、社会の動きを知ることで、いち早く「社会課題」を見出せるという。