記事のポイント
- 家具メーカーなど35社が家具の資源循環へ協議会を設立した
- 製造からリサイクル業者までが連携しリユースや水平リサイクルを目指す
- 6月からスプリングマットレスを回収、月間の目標回収量の達成を見込む
家具メーカーなど35社は28日、家具の資源循環に向けて家具インテリアリサイクル&リニュー協議会(家具インテリアR&R協議会)を設立した。家具の製造業者から販売、物流、リサイクル業者までが連携して、リユースや水平リサイクルまで目指す。6月からスプリングマットレスを回収の実証実験を始めて、月間の目標回収量を見込んでいる。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

家具インテリアR&R協議会は家具メーカー16社、販売10社、物流事業など9社の35社が創立会員企業となり設立した。会長には岡田贊三氏(飛騨産業代表取締役会長)が就任した。
家具・インテリアの需要は増加傾向にある。その一方で、廃棄家具も増えている。たとえばスプリングマットレスでは、ホテルなど宿泊施設でリニューアルを行う際に、多くの量が廃棄されている。
協議会内に4つのワーキンググループをつくり、家具の資源循環のループづくりや、適切なメンテナンスなどによる長寿命化、脱炭素、リサイクルやリユースのしやすいデザイン指針の策定などを目指す。
すでに実証実験も進めている。
6月1日から8月31日までの日程で、廃スプリングマットレス回収の実証実験を進める。効率的な回収や、回収したマットレスを解体・分別を行って、可能な限りのマテリアルリサイクルを行う。実証するエリアは関東地区となる。
この実証実験で、廃家具処理量や処理コスト情報を集めるとともに、リサイクルのネットワークの構築、デジタルを活用したデータに基づいた資源循環の可視化と効率的な手法の確立を行う。
月間の回収目標は1000本を設定する。この実証実験を進めるリソーシングWGリーダーの高田輝成氏(TAKADA代表取締役)は「6月15日時点で月間の目標の半分ほどを回収しており、順調に進んでいる」と話す。実証実験の成果についても追って情報発信する予定だ。
家具のリサイクルやリユースなどの資源循環が進んでいくには、使用する素材などを統一していくことも視野に入る。副会長の西弘信氏(アクタス相談役)は「家電業界は自分たちが修理しやすいように仕様も固めていった」と指摘する。個社の事情にも配慮しながら、標準化に意欲を見せた。
家具のサーキュラーエコノミーの構築に向けて、さらなる賛同の輪の拡大も注目される。