
「100年かかって育った木は100年 使えるものに」を合い言葉に木材家具の製造・販売などを手がけるオークヴィレッジ(岐阜県高山市、稲本正代表)は4日、東京・自由が丘のショールームで、「復興支援2011年度実績の報告会」を開催した。同社製品の椅子に腰かけた聴衆が熱心に耳を傾けた。
稲本代表は、冒頭の挨拶で「震災直後は立ち直る方向性を見失っていた。だが、これは日本が変わる契機と捉え、復興に向けて動き出した」と述べた。
3月22日には、復興に向けた第一歩として、日本社会が目指す方向性を示す「『森を創る・森を使う・森を食べる』連携の集い」宣言を環境活動家のC.W.ニコル氏とフランス料理のシェフである成澤由浩氏と共に発表した。
5月には、スパイラル(東京・港)で復興支援と日本の再出発のためのシンポジウム「緑の国へ」を開催し、仮設・復興住宅「合掌の家」の展示会を行なった。「合掌の家」は、スギやヒノキの間伐材を利用し、伝統的な工法を採用している。
稲本代表は「この家が被災地に広がれば、日本林業にとっても、地元に雇用創出をする上でも、大きな意義がある。そういうシステムを構築していきたい」と意気込みを語った。
そのほかにも、寄付100円に対して、積木1ピースを被災地の子どもたちに届ける「寄木の積木基金」を設立、これまでに3100ピースの積木を現地の幼稚園や児童館などに寄贈してきた。
稲本代表は「日本の国土の67%は森林が占めている。それにも関わらず、国内で使われる木材の80%は外国産だ。国内の針葉樹を使用した間伐材を有効活用し、広葉樹を植える活動を広げたい」と語る。
現在は、2年後に、数万本の苗木を各地に植樹しようという「緑の国プロジェクト」に取り組んでいる。その一環として、4月14日には、東北で集めたどんぐり10000個を東京・三鷹にある国際基督教大学のキャンパスにボランティア約30人とまく予定だ。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)