中堅中小企業こそDEIとESがカギ

人材確保が難しい物流業界で、大橋運輸(愛知県瀬戸市)への応募は途切れず、業績は好調だ。下請け率も90%から5%にまで下がった。背景には、同社が進めてきたDEIの推進があった。同社では、LGBTQ当事者、障がいがある人、外国人、高齢者など、多様な人材が活躍している。鍋嶋洋行社長は「中小企業こそDEIに取り組んでほしい」と語る。(オルタナ副編集長・吉田広子)

鍋嶋洋行・大橋運輸社長
鍋嶋洋行・大橋運輸社長

鍋嶋社長は1998年4月、妻の祖父が創業した大橋運輸に入社した。勤めていた信用金庫を辞めるつもりは一切なかったが、大橋運輸の経営が債務超過状態であることを知り、立て直す決意をした。

「ドライバーは、誰でもできる仕事だと思われがちだが、そうではない。価格競争に陥るなかで、『運ぶ仕事』の社会的価値を高めたかった」。鍋嶋社長は、真意を語る。

「このままでは会社がつぶれる」という危機感から、当時社長だった義父に直談判し、同年11月に社長に就任した。

だが、物流業界を取り巻く状況は厳しかった。

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yoshida

吉田 広子(オルタナ輪番編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。2025年4月から現職。執筆記事一覧

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