記事のポイント
- 米連邦航空局が「空飛ぶクルマ」に対し、テスト用の特別耐空証明を発行した
- 公道を走行し通常の乗用車のように駐車できるほか、垂直での離着陸が可能
- 価格は30万ドル(約4300万円)で、初回引き渡しは2025年末を予定している
米連邦航空局(FAA)は7月4日、アレフ・エアロノティクス社(カリフォルニア州)が開発した「空飛ぶクルマ」に対し、テスト用の特別耐空証明を発行した。道路の走行と空の飛行の両方ができるEV車が、米政府から承認を受けるのは初だ。(オルタナ編集部・北村佳代子)

アレフ・エアロノティクス社の開発した「モデルA」は、公道を走行し通常の乗用車のように駐車できるほか、垂直での離着陸も可能だ。最大2人まで搭乗でき、道路上の航続距離は約320キロメートル、飛行機の航続距離は約178キロメートルだ。
価格は30万ドル(約4300万円)で、初回引き渡しは2025年末を予定しているという。
同社のジム・デュコフニー最高経営責任者(CEO)は、FAAから認可を取得したことを「航空機にとって小さな一歩、クルマにとっては大きな一歩だ」とコメントした。「環境負荷をかけずに短時間で通勤できる日が近づく」
アレフ・エアロノティクス社は2015年秋、米SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に触発されたデュコフニー氏とその友人の計4名が設立した。
映画では、マイケル・J・フォックスが演じる主人公マーティ・マクフライが飛び立つ「未来」(2015年10月)として、空飛ぶクルマが利用可能になる姿を描く。その「未来」と同社設立時期が偶然にも一致していることを、同社はホームページで紹介した。
同社の支援者には、過去にテスラやスペースXにも投資したベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパーも含まれる。