
ボジョレーヌーボーのようにその年の出来を楽しむタオル――。それが、池内タオル(愛媛・今治)が作る「コットンヌーボー」のコンセプトだ。オーガニックコットンは毎年、品質が異なる。池内タオルでは、それを個性と捉え、毎年、決められた畑から収穫されたばかりのオーガニックコットンを、決められた時期に加工・発売する。
タオルは、バスタオル(72×145cm、希望小売価格6300円)、フェイスタオル(35×80cm、2625円)、ウォッシュタオル(35×35cm、1575円)の3種類。原料は、タンザニアのキリマンジャロのふもとのメアトウ地区で手摘みされたオーガニックコットン。秋田県の能代風力発電所の電力を使用してタオルを織る。
池内タオルのオーガニックコットンは、欧州基準の1)3年以上の有機栽培 、2)遺伝子操作のない種、 3)フェアトレードという3要素を順守している。しかし、これには相応のコスト負担が発生する。そこで、同社は、オーガニックコットンの普及のために「風で織るタオルファンド」を設立。昨年は、1口5万円で出資者を募り、110口売り、資金を賄った。今年も既に、約350口を売り上げているという。
昨年、秋に池内計司社長が現地を訪問した際には、村人に井戸1本を寄贈した。池内社長は「このプロジェクトを20年継続して、現地に井戸20本を寄贈したい」と意気込みを語る。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)