記事のポイント
- MSC(海洋管理協議会)がサバやニシンの減少に警鐘を鳴らした
- 日本周辺における8月の海水温は、平年より3℃以上高かった
- 水産資源の減少はすでに私たちの身近なところへ影響を及ぼしている
持続可能な漁業を推進する国際的組織MSC(海洋管理協議会)がこのほど、海水温上昇によるサバやニシンの減少に警鐘を鳴らした。日本周辺における8月の海水温は、平年より3℃以上高くなったところが絶えず存在した。水産資源の減少はすでに私たちの身近なところまで影響を及ぼしている。(オルタナ編集部・下村つぐみ)

MSCが個体数減少において警鐘を鳴らしたタイセイヨウサバやタイセイヨウニシンは、海水温の上昇によるプランクトンの減少で、成長が困難になっているという。
海上保安庁によると、日本周辺において8月の海水温は、平年より3℃以上高くなったところが絶えず存在した。海水温が異常に高い状態が5日以上続く海洋熱波も世界各国で頻繁に発生しており、米国海洋大気庁は9月までに海洋の50%が熱波に見舞われると予測した。
日本で消費される水産物は、輸入量が全体の5割弱を占め、多くを輸入に頼っている。タイセイヨウサバも焼サバや味噌煮などとして、日本の市場に多く出回る身近な魚だ。日本で愛用される鯖缶の原料にもなっている。