
「募集しているパブリックコメントにあるゼロシナリオ、15シナリオ、20~25シナリオのいずれかを必ず採用するとは限らない」――。19日に開かれた「未来のエネルギーはどれ?『選択肢』に関する政府との意見交換会」での内閣官房国家戦略室の清水康弘審議官の発言だ。
これに対し、200人以上集った参加者からは「なんのためのパブコメだ。結局、密室で恣意的に物事を決めるのか」「即時ゼロのシナリオも用意しろ」などの非難の声があがった。
同会は、主催者からあらかじめ送付された質問状に対し、清水氏が説明に応じる形で進められた。
「意見聴取会での意見陳述人を公正に選ぶ方策は盛り込まれているのか」という質問に対し、清水氏は「電力会社の人間が選ばれたのは偶然。世間からの批判を踏まえ、今後は、電力会社の方には遠慮していただく」と回答。会場には、「ごまかすな」「ふざけるな」などの怒号が飛び交った。
同席した福島みずほ議員は、会場で配られた資料の中にある矛盾を指摘。「原発依存度が26%だった2010年を「現状」として、2030年の原発依存度を算出するのはおかしい。「15シナリオ」について、『原発の新増設が難しい状況』とあるが、再稼働も同様だ。原発依存度15%を主張するということは、原発の新規増設をみとめることと同義か」と清水氏を詰問する場面もあった。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)