JEITAが供給網向けの「共通質問書」、GHG把握の効率化図る

記事のポイント


  1. 電子情報技術産業協会(JEITA)は供給網向けの「共通質問書」を発行した
  2. 供給網全体のGHG排出量を把握しやすくすることが狙いだ
  3. 共通質問書は無料で公開しており、非会員も使うことができる

電子情報技術産業協会(JEITA)がサプライチェーン全体の温室効果ガス(GHG)排出量を効率よく把握するため、サプライヤーに送る質問内容の「標準化」に向けて動き出した。質問内容と回答様式の「共通フォーマット」を発行し、無料で公開した。このフォーマットをもとにサプライチェーン全体のGHG関連データを各社で共有する。(オルタナS編集長=池田 真隆)

サプライヤーへの質問を「標準化」することで、GHG関連データの収集の効率化を図る

GHG関連のデータを共有するが、製造地の情報は、企業戦略の機密情報にもなり得る。そこで、製造地の情報は公開せずに、GHG排出量のみを共有する仕組みにした点が特徴だ。

現状はESG関連の情報提供を依頼する企業の質問内容や回答様式が各社で異なっており、回答する企業側の負荷が大きく課題だった。特に、サプライチェーンの上流に関しては、情報を把握する方法やルールが確立されていない。そのため、サプライチェーン全体のGHG排出量を把握することが困難だった。

このフォーマットは、JEITA会員企業だけでなく、非会員企業向けにも設計した。平時における製造地情報の可視化が前提だが、今後は有事でのサプライチェーンへの影響も可視化できるツールにブラッシュアップする予定だ。

サステナX

JEITAはデジタル産業の業界団体で、国内最大の規模を誇る。パナソニックホールディングスや日立製作所など会員数は379に及ぶ。ICT技術で、社会課題の解決と経済成長の二兎を追う「Society5.0」の実現を目指す。

■JEITAが発行した「サプライチェーン製造地情報交換における標準化フォーマット」はこちら

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #脱炭素

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