
キリンビールは、現行の「6缶パック板紙」(350ml缶用)よりも紙面積を8%削減し、国内最軽量となる約29gの板紙の開発に成功した。これにより、全国展開した場合、現行品に比べCO2排出量を年間約3700t削減、板紙使用量を年間約1700t削減できる。
キリンビールでは、6缶パック板紙を1997年から採用し、これまで2回、軽量化に取り組んできた。今回は、板紙に開口部を設けたり、底部をロックする缶底タブロックの形状を改善したりするなどで、利便性を維持しながら、紙面積を削減。現行の板紙の重量は約32gだが、今回の開発で約3g軽減した。

缶保持力の測定機も自社開発し、試行錯誤を重ね、新形状の板紙は、缶保持力が約1.8倍に向上。ユニバーサルデザインの観点から、缶を取り出す際に指が掛けられる面積を拡大し、取り出しやすさも改善した。
キリンビールは、包装容器の開発を専門に行うパッケージング技術開発センターを有し、これまで、リターナブルびんの軽量化、缶蓋の縮径化など、環境に配慮した容器を業界に先駆けて展開してきた。
同センターの松島康之センター長は、「お客さまに喜ばれ、環境に配慮し、使いやすい容器を目指して開発している。できるだけ小さく軽く、リサイクルしやすいように改良を重ね、省資源化を進めたい」と語った。
新形状の板紙は、2013年中の順次展開を目指している。(オルタナ編集部=吉田広子)