記事のポイント
- キャロウェイゴルフがmore treesと鳥取県で共創プロジェクトを始めた
- ゴルフ研究会の大学生に、地域課題や森の可能性についての体験講座を開く
- 学生は地域活性化につながるアイデアや企画を鳥取県智頭町に提案する
米ゴルフ用品メーカーのキャロウェイゴルフは10月10日、森林保全団体のmore trees(東京・渋谷)などとともに「未来へつなぐ森: 共創プロジェクト」を鳥取県智頭町で開始した。大学ゴルフ授業研究会(東京都小平市)に所属する学生を対象に、森林に関する体験講座を開く。学生は地域活性化につながるアイデアや企画を智頭町に提案する。(オルタナ編集部・下村つぐみ)

「未来へつなぐ森: 共創プロジェクト」は、森林保全団体であるmore treesの「企業の森」プロジェクトをきっかけに始まった。
「企業の森」プロジェクトは、同社が所有する森と森づくりに参加したい企業をマッチングし、企業単独で植林などの森づくり活動ができるプログラムだ。2019年に始まり、現在は約20社が参加しているという。キャロウェイゴルフは、2022年2月から参画した。
同社はサステナビリティプロジェクト「ALL FOR GREEN」を掲げ、大学ゴルフ授業研究会への廃棄ゴルフ器材の提供や、障がい者の雇用を促したキャロウェイファームを続けてきた。「『外遊び』に深くかかわる自然環境の保全を啓発したい」という思いから、「未来へつなぐ森」を立ち上げた。
10月24、25日には、大学ゴルフ授業研究会に所属する武蔵野美術大学の学生を対象に、地域課題や森の可能性について知るツアーを実施する。
参加する学生は植林活動や森林セラピー、国有財産となっている旧山形小学校の校庭でキャンプを体験する。受講後は、学んだことを持ち帰り、森を活用した地域活性化につながるアイデアを考え、智頭町に提案する。
キャロウェイゴルフのサステナビリティ・コミッティ・プロジェクトリーダー・喜田慎さんは、「2024年度からは、各店舗の店長向けプログラムも企画していく予定だ。普段の接客の中で、自社が行っている取り組みの意義をステークホルダーに伝えることで、業界全体で良いムーブメントが起きてほしい」と期待を示した。
智頭町は山林が町の93%を占める緑豊かな町だ。しかし、長引く木材不況や過疎高齢化による担い手不足などから、同町を支えてきた林業は低迷している現状だ。
more treesの岸卓弥さんは、「森づくりを軸にしながらも、地域に還元できることが優先するべきものだと思っている。今回は武蔵野美術大学ということなので、木材の販売アプローチや木材を使ったアートなどの提案に期待している。これらを通して、木材利用や森づくりの認知拡大につなげていきたい」と語った。