記事のポイント
- JERAが横須賀火力発電所2号機の営業運転を12月22日に開始した
- 環境NGOは年間最大363万トンのCO2の追加的な排出となると指摘
- 「排出削減対策の講じられていない」新規石炭火力発電所だと批判した
JERAが横須賀火力発電所2号機(石炭・65万kW)の営業運転を12月22日に開始したことに対し、環境NGOが抗議の声を上げている。気候ネットワーク(京都市)は、年間最大363万トンのCO2の追加的な排出となるとして批判した。(オルタナ副編集長=吉田広子)

JERAは当初2024年2月の営業運転開始を予定していたが、2カ月前倒しした。同社は記者会見で「冬のピークに間に合わせた」としているものの、気候ネットワークは、「稼働中の発電所で対応が可能であり、社会的必要性も緊急性もない稼動だ」と批判した。
12月に開催されたCOP28では、1日の首脳級ハイレベル・セグメントで、岸田首相は石炭火力について「排出削減対策の講じられていない新規の国内石炭火力発電所の建設を終了する」と表明した。
気候ネットワークは、「横須賀火力発電所2号機は『排出削減対策の講じられていない新規国内石炭火力発電所』そのものであり、2023年内に滑り込みのような形でJERAが稼動を開始させ、国がそれを認めるというのは、言行不一致の愚行である」と指摘した。