記事のポイント
- 公取委は「グリーン社会」実現に関する独禁法上の指針の改定案を公表した
- 改定案では、脱炭素効果の測定方法や評価に関する考え方などを明確にした
- 3月18日までパブリックコメントを受け付けている
公正取引委員会は2月15日、「グリーン社会」の実現に向けた企業などの活動に関する独占禁止法上の指針の改定案を公表した。この指針は、企業が「脱炭素」に向けて活動する中で、独禁法違反になる行為とならない行為を詳しく明示した。改定案では、脱炭素効果の測定方法や評価に関する考え方などを明確にした。(オルタナ副編集長=池田 真隆)
-530x380.jpg)
公取委は昨年3月、「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法の考え方」を公表した。脱炭素に向けた企業連携などについて、独占禁止法違反になる行為とならない行為を想定例として紹介したものだ。
公取委はこの指針を公表して以来、企業担当者らから相談を受けていた。その内容を踏まえて、今回の改定案を策定した。
主な改定のポイントは3つだ。一つ目は、「共同の設備廃棄、共同調達などに関する考え方」を明確にした点だ。生産数量などの制限行為であっても、独禁法上は問題とならない場合を明示した。海外からの輸入圧力や需要者からの競争圧力を考慮し、判断するとした。
「脱炭素効果の測定方法や評価に関する考え方」も明確にした。企業が脱炭素効果を主張する場合は、企業自らの説明に加えて、関係省庁からの情報提供を踏まえて判断していくと記載した。
その他、中小の物流事業者に対する優越的地位の濫用行為に関する想定例を追加した。電気自動車など非化石エネルギー自動車の導入に際し発生した費用について、交渉に応じることなく、一方的に運賃を据え置く行為は問題となると明確に示した。
この改定案について、3月18日までパブリックコメントを受け付けている。