記事のポイント
- 人工甘味料について、衆議院農林水産委員会で取り上げられた
- 人工甘味料は、心血管疾患などの発症リスクを高めるとする研究もある
- WHOは人工甘味料を使用しないよう勧告するガイドラインを公表した
■KIYOの哲学■
筆者がこれまで危険性を指摘してきた「アスパルテーム」「スクラロース」「アセスルファムカリウム」などの人工甘味料について、ようやく5月末に衆議院農林水産委員会でも取り上げられた。欧州や米国などでは、これらの人工甘味料は、糖尿病、心血管疾患、不整脈などを起こし、脳卒中や認知症の発症リスクを高めると指摘する疫学研究もある。(日本オーガニックレストラン協会代表理事=南清貴)

しかし、日本では、ノーマークと言っていい状態だ。人工甘味料そのものの総量さえ、政府は把握していない。WHO(世界保健機関)でさえ、さまざまな研究結果を鑑み、人工甘味料を使用しないよう勧告するガイドラインを2023年5月に公表した。
にもかかわらず、日本の大手メディアは、無視を続けてきた。もちろんそれには理由がある。
それはこの人工甘味料を製造販売しているのが、化学調味料を製造販売している大手企業だからだ。スポンサー収入がなくなることを恐れて、企業に忖度して報道していないということだ。
人工甘味料は、そのものも危険な物質であるが、製造過程で作られる不純物と呼ばれる化学物質にも大きな問題がある。その最たるものは「クロロプロパノール」だ。これは人工甘味料のみならず、たんぱく加水分解物といわれる物質や、安手の醤油などからも検出されている。
海外では発ガン性が疑われ、規制の対象にもなっているが、日本では調査もされなければ、お咎めもない。したがって、クロロプロパノールがどれだけ含有されていても、メーカー側は使い放題ということになる。
こんな危険なものの実態を、政府がまったく把握していないということが、本当にあるのだろうか。筆者は、そうは思わない。把握していて、知らぬ存ぜぬを通しているだけだ。
現に筆者は、ことあるごとに指摘してきた。新刊『知ったら怖くて食べられない 安くて便利でおいしい「食品の罠」』(ワニプラス新書)の中で、人工甘味料やクロロプロパノールについても書いた。
この件に関して発言しているのは筆者だけではない。政府が、それをまったく知らなかったというなら、不勉強というものだろう。国民の健康を損ねている人工甘味料と、そこに含まれる不純物について、もっと勉強しろ、と言いたい。そして真実を公表しろ、と言いたい。
人工甘味料や不純物に関して何も知らずに、国民の健康を守ろうというのは、それこそおこがましい話だ。
因果関係を証明することは不可能だが、人工甘味料と、そこに含まれる不純物によってガンに罹患した人の数は、少なくないはずだ。この責任を追求することは、果たしてできるのだろうか。