リベラルアーツが社会を変える

「今大切だと考えているのは、個々のインパクト投資案件を超えた、システムチェンジ投資的な発想だ」。2025年の3月1―2日に東京で開催された「インパクトシフト2025~社会課題と向き合うわたしたちのこれから~」に参加して、多くの学生や社会にインパクトを創出してきている起業家や投資家、NPOの人たちと話す中で聞いた、あるセッションでのこの言葉は、非常に重要なことを提起していると思う。

今、行政やNPOだけではなく、多くのビジネスや投資家、金融機関が社会にインパクトを生み出そうと動き出している。この潮流の中で新たなソリューションや取り組みが続々と生まれている。

そこでこれから必要になってくるのは、点で物事の解決策を考えるだけではなく、問題の全体構造や社会システム全体を理解したうえで、課題解決にアプローチしていこうという姿勢だ。

社会問題の解決は、点の集合体が面になるとは限らない。時には新たな解決策が依存などのネガティブなインパクトを生み出してしまうこともある。

もし、本当に社会に変化を生みたいと考え、そのための能力を高めようと考えようとすれば、何をどう考えるとよいのだろうか。優れた社会起業家やチェンジメーカーはどのように生まれるのか。大きな社会変革を生み出すリーダーのパラダイムや発想は教育や訓練を通じて伸ばすことができるのか。

技術論では変革起きない

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鵜尾 雅隆(日本ファンドレイジング協会代表理事)

連載:社会イノベーションとお金の新しい関係 日本ファンドレイジング協会代表理事。国際協力機構、外務省、米国NPOを経て、ファンドレイジング戦略コンサルティング会社ファンドレックス創業。寄付、社会的投資の進む社会を目指して日本ファンドレイジング協会を創設。著書に『ファンドレイジングが社会を変える』など。

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キーワード: #オルタナ80号

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