気持ちよく走る日本ブランドのフォールディングバイク

間違いだらけの自転車選び(38)山本修二(自転車ジャーナリスト)

記事のポイント


  1. 世界に羽ばたく香川のブランド 
  2. フォールディングでも走行性能に妥協はしない
  3. 簡単操作でコンパクトに 

2025年モデルとして新登場したレッド&グロスシルバー
2025年モデルとして新登場したレッド&グロスシルバー 

今回の自転車 タイレル/FXα 

タイレルオリジナル設計のアルミ製スラントフレームに、カーボンファイバー製のフロントフォークをセット。工具を使わず、前後輪をメインフレーム側に折りたたむことができる。緻密に計算されたフレーム設計により、折りたたみ式の小径車でありながら、驚くほど気持ちよく走る。9段変速。重量9.5kg。カラーは3色。価格23万1000円(税込) 

販売: ミズタニ自転車 https://www.mizutanibike.co.jp/ 
製造: アイヴエモーション https://www.tyrellbike.com/

フレーム上部を交差させることで高い剛性感を実現したタイレルのスラントフレーム
フレーム上部を交差させることで高い剛性感を実現したタイレルのスラントフレーム 

■香川から世界へ羽ばたくスポーツ自転車専門ブランド

タイレルは、香川県さぬき市にある日本発のスポーツ自転車専門ブランド。「見た目も性能面でも所有欲を満たすミニベロがないなら、自分の手で作ってみよう」という創業者の廣瀬将人さんが、2004年に自宅の納屋で自転車づくりをスタートした。

ホイールの小さな小径車でありながら、ロードバイクに迫る走行性能を追求し、安定感の高いロングホイールベースで、低重心、高剛性を生み出すスラントフレームを考案し、今では世界中で高く評価され販売網を広げている。設計、試作ほか、一部の上位モデルは自社工場内で生産、組み立てまでを行なっている。

振動吸収性に優れたカーボンフォーク 
振動吸収性に優れたカーボンフォーク 

■いい意味で予想を裏切る走行性能

FXαは、タイレルのなかでも比較的、手が届きやすい20万円強のエントリーモデル。簡単な操作でコンパクトに折りたためるフォールディング機能も備えている。

タイヤは、20×1.10インチとかなり細め。ハンドルは、スポーツ自転車初心者でも馴染みやすいストレート仕様。ペダルを踏んで走り出した瞬間に、思わず笑顔になってしまうような、のびやかで気持ちいい走りを体感できる。スラントフレームは剛性感が高く、まっすぐはもちろん、カーブする際の安心感までを高次元で生み出している。

その加速力、安定感は、大径のロードバイクに迫るほど。スポーティーな走りを売りにするフォールディングバイクは数あれど、ここまでガッチリと仕上げられたバイクには、ほとんどお目にかかったことがない。

気持ち良い加速感を演出する幅約28mmの小径タイヤ
気持ち良い加速感を演出する幅約28mmの小径タイヤ

■用途に合った機能を持ったパーツを見極めよう

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山本 修二(自転車ジャーナリスト)

1963年東京生まれ。ライター。雑誌を中心に、競うことなく笑顔で楽しめる自転車ライフを提案している。最新著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)。

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キーワード: #サステナビリティ

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