文系にも分かる「地球温暖化のメカニズム」

記事のポイント


  1. 地球の温度はここ100年で急激に上昇し、専門家は人間起源のCO2が原因と指摘する
  2. 他方、気候の自然循環とか、金儲けのための嘘とか、そういう言説もなくならない
  3. CO2が原因で地球が温暖化するメカニズムを、文系にもわかりやすいように解説する

地球の温度はここ100年で急激に上昇し、専門家は人間起源のCO2が原因と指摘する。その一方で、温暖化は単なる気候の自然循環であるとか、誰かが金儲けのために流した嘘だとか、そういう言説もなくならない。CO2が原因で地球が温暖化するメカニズムを、文系にもわかりやすいように解説してみよう。(オルタナ客員論説委員/技術士・財部 明郎)

下の図は地球の平均温度の推移を示したものだ。容易にわかるように、地球の温度はここ100年ほどで急激に上昇している。つまり地球は温暖化している。

この温暖化の原因は人間が出したCO2であることはすでに専門家の中では常識となっている。IPCCは気候変動について世界中の専門家の調査論文などをまとめて、国連に報告する機関であるが、その最新の報告書では地球温暖化の原因が人間活動によるものであることは議論の余地がないと結論付けている。つまり、専門家の議論の中では人間が出したCO2が温暖化の原因であると結論がすでに出ているということだ。

にもかかわらず、地球温暖化は単なる気候の自然の循環であるとか、温暖化の原因は専門家の間でも意見が分かれているとか、だれかが金儲けをするために流した嘘だとか、そういう議論を展開する人が見受けられる。

確かに、唐突にCO2が原因といわれてもすぐには納得のいかない人もいるかもしれない。他に原因はないのか。なぜ僅かな量に過ぎないCO2だけが原因と考えるのか。いろいろと疑問があるだろう。

筆者自身は、この分野の専門科学者ではないが、CO2が原因で地球が温暖化するメカニズムを、あまり科学に馴染みのない文系の人にもわかりやすいように解説してみたい。

(この続きは)

宇宙を漂うボールの温度は何℃になるか
地球は「空気」という着物を着ている
赤外線を吸収したCO2はどうなるか
地球の温度を決める4つの要因とは
メタンなど、CO2以外の温暖化の原因は

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財部 明郎(オルタナ客員論説委員/技術士)

オルタナ客員論説委員。ブロガー(「世界は化学であふれている」公開中)。1953年福岡県生れ。78年九州大学大学院工学研究科応用化学専攻修了。同年三菱石油(現ENEOS)入社。以降、本社、製油所、研究所、グループ内技術調査会社等を経て2019年退職。技術士(化学部門)、中小企業診断士。ブログでは、エネルギー、自動車、プラスチック、食品などを対象に、化学や技術の目から見たコラムを執筆中、石油産業誌に『明日のエコより今日のエコ』連載中

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キーワード: #脱炭素

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