TOPPANが食用油の紙パックリサイクル、静岡・裾野市で開始

記事のポイント


  1. TOPPANなど3社は食用油の紙パックリサイクルを静岡・裾野市で始める
  2. 従来は紙パックの油を取り除く必要があり、リサイクルは現実的でなかった
  3. 裾野市では油を取り除かなくてもリサイクルを可能にした

TOPPANなど3社が食用油の紙パックリサイクルを静岡・裾野市で始める。食用油の紙パックは従来、油を取り除く必要があり排水への影響や手間からリサイクルが現実的でなく、可燃ゴミとして処理されてきた。食品メーカーのJ-オイルミルズや古紙リサイクルに強みを持つコアレックス信栄(静岡県富士市)と連携することで、リサイクルを可能にした。(オルタナ編集部=萩原 哲郎)

これまでリサイクルが困難だった食用油の紙パックをトイレットペーパーに再生する
これまでリサイクルが困難だった食用油の紙パックをトイレットペーパーに再生する

食用油の紙パックリサイクルは牛乳パックと異なり、油を取り除くことが困難であることや排水への影響から推奨されず、可燃ゴミとしての回収が一般的だった。今回、TOPPAN、J-オイルミルズ、コアレックス信栄の3社が連携することで食用油の紙パックリサイクルが可能となった。4月1日から裾野市で資源ゴミとしての回収を始めた。

21年にJ-オイルミルズはTOPPANの液体用紙容器「EP-PAK」を採用。プラ削減をめざした「スマートグリーンパック」シリーズとして商品ラインアップを拡大してきた。

一方、裾野市はコアレックス信栄と今年1月に雑誌のリサイクルに関して協定を締結。TOPPANとJ-オイルミルズがリサイクル適性検証を実施した食用油の紙パックを資源ごみの行政回収の対象として追加した。

住民は使用済み食用油の紙パックを使い切りたたんでキャップをしたうえで資源ごみに出し、その資源をコアレックス信栄がトイレットペーパーに再生する。住民に対して排出方法の告知や啓発などの「環境コミュニケ―ション」も行う。

今後は裾野市以外の協力自治体を拡大し、食用油など幅広い液体用途で使用される紙容器リサイクルを広げていく。

2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

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キーワード: #リサイクル

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