環境省は、来年度からミドリガメの本格的駆除を実施すべく、今年度、いくつかの地域でモデル事業を実施するという。効率的な捕獲方法や処分方法などが検討、検証される。ミドリガメの大半はアメリカから輸入されたアカミミガメ(ミシシッピアカミミガメ)だ。多くは甲羅の長さがほんの数cmの幼体の頃にペットショップなどで売られるが、成長すると大きなものは30㎝近くになる。かつて、「アマゾンの緑ガメ」と称して売られたカメもこの仲間だ。(カルピス株式会社 人事・総務部=坂本 優)

アカミミガメをはじめとするミドリガメたちは日本中で野生化しており、大都市の公園や寺社の池などでも普通に観察できる。一方、固有種のニホンイシガメなどは、すっかりその数を減らしている。
典型的な侵略的外来種として、公園の池や農業用のため池の掻い掘りの際など、これまでも駆除の対象となってきた。ところが、外来生物法にいう「特定外来生物」としての指定はなされていない。理由は、その膨大な取引数、飼育数だ。
「特定外来生物」に指定された場合、原則、取引や飼育は禁止されることになる。年間十万匹単位の取引数、百万匹単位の飼育数からみて、これらを一挙に禁止した場合、現状に加えて、更に膨大な数が自然界に新たに放たれるであろうことが容易に推測される。そのため指定に踏み切れないと言われている。