
トランプ米大統領就任直後の1月21日、パリでも反トランプの「女性の行進」があった。警察発表によると、参加者は7000人以上。ここ数年のパリのデモの中では最も米国人の姿が目立ち、米国の民主党旗もひるがえった。フランスの左派政党、人権団体、フェミニスト団体、一般市民らも加わり、トランプ氏の女性蔑視発言や不法移民への強硬策に抗議した。(フランス・パリ=羽生 のり子)
デモ隊はパリ・トロカデロの人権広場からエッフェル塔下の「平和の壁」まで、和気あいあいとした雰囲気で約2時間行進した。英語が飛び交い、プラカードの半分以上が英語だった。
「掴めるものなら掴んでみろ-怒れる猫(女性器)より」など、2005年の録音テープで暴露されたトランプ氏の性的な女性蔑視発言に抗議した標語が多かった。
在仏米国人のアン・クルテイウーさんは「彼は私たちの大統領ではない。70歳のこの歳になってもまだ男女平等のために闘わなければならないとは思ってもみなかった」と怒りを表明した。
オバマ前大統領の写真に「ありがとう。あなたがいなくて寂しい」と書いたプラカードを持った在外民主党員の中には、東部ストラスブールや北部リールから駆けつけた人たちもいた。
パリに住むロバート・パサリエロさんは「民主党員は全仏で約6000人いる」と言う。「バーニー」と書かれたバッジをつけた米国人女性は、パリにいる妹のところに来た旅行者だ。「あと4年、このバッジをし続ける」と意気込んだ。
フランスの極右台頭への警告もあった。「ルペンを寄せ付けるな!!!」というプラカードを持った米国人女性はフランス人と結婚し、フランス国籍を申請中だ。トランプ氏とフランスの極右の類似点を指摘し、「子どもの将来が心配だ」と話した。
「在外でトランプと闘おう」というスローガンを手にしたサラ・ダルグリッシュさんは、在外米国人グループを選挙後に作った。世界中の米国人が連絡し合い、抵抗運動を続けることを提案している。