前回のコラムでは、障害者虐待防止法についてお伝えした。今回は、来年度以降に実施される障がい者法定雇用率の見直しについてお伝えする。
・平成30年4月から障がい者法定雇用率が引き上げ
現在、民間事業者における障がい者法定雇用率は「2.0%」だが、平成30年4月から障がい者法定雇用率が「2.2%」となり、従業員数46名に1人の割合で雇用義務が生じるようになる。また、平成33年年3月末までには2.3%にまで引き上げていく計画となっている。

今回の改正のポイントとしては、以下の2点である。
①精神障がい者が雇用義務に含まれたこと
②法定雇用率の算定の基礎に精神障がい者を含めて計算すること
この背景には、障がい者が一般労働者と同じように常用労働者となる機会を保障するために、事業主等に障がい者雇用率達成義務を課しており、現在まで身体障がい者および知的障がい者が対象となってきていたが、平成30年4月から障がい者雇用率の算定基礎に精神障がい者が加わることなどの事情を踏まえ、段階的に法定雇用率が引き上げることとなった、という経緯である。
なお、現在精神障がい者は雇用義務とみなされていないが、すでに平成18年度から身体障がい者、知的障がい者と同様に精神障がい者を雇用すると、雇用率のポイントにはカウントされる。
法定雇用率が今後段階的に引き上げられされるので、自ずと計画的な雇用計画が必要になり、社会では、ますますの「共生社会」実現が求められてきていると言えるであろう。
・障がい者雇用納付金と障がい者雇用調整金について