明治がこのほどアイスクリーム製品の賞味期限を表示することを発表した。同社は「消費者ニーズに対応した」と説明するものの、「食品ロス」の増加が懸念される。他社はこの期限表示の流れに追随するのか。(オルタナ編集部=多田野豪、中山涼太)

食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」。日本の食品ロス量は年間643万トンに上り、一人あたり年間約51キログラムの食品ロスを発生させていることになる。
アイスクリーム類は「-18℃以下」という保存上の注意を守れば、長期間保存しても品質の変化が小さいため、消費者庁の食品表示基準で賞味期限表示の省略が認められている。
だが明治は2021年4月をメドに同社のすべての市販アイスクリーム製品で賞味期限を表示する方針を明らかにした。
まず、今年6月から「明治 エッセル スーパーカップ」シリーズで製品の裏面に、製造から最長で24カ月の賞味期限を表示する。市販のアイスで大手メーカーが賞味期限を記載するのは明治が初めて。
これを受け、オルタナ編集部は、アイスクリームメーカー各社の広報担当者に今後の賞味期限表示についての緊急アンケートを実施した。現時点で、表示を検討しているとした企業は無かった。回答は次の通り。
・赤城乳業:賞味期限を表示する予定はない
・井村屋:ガイドラインに則って品質保証はできているので、賞味期限を表示する予定はない
・江崎グリコ:安全に食べてもらうための品質管理を徹底しているので、賞味期限を表示する予定はない
・ハーゲンダッツ ジャパン:賞味期限を表示する予定はない
・森永乳業:食品衛生法において賞味期限の記載を免除されているため、賞味期限を表示する予定はない
・ロッテ:賞味期限を表示する予定はない