■オルタナ本誌60号 オルタナティブな空間から

滋賀県の長浜という街で開いたエリアリノベーションのワークショップで、とある発表が印象的だった。長浜に半定住している20代の若者3人組。街の人々が集まる最終プレゼ ンテーションの場で、彼らが問いかけたのはこんな言葉だった。
「なぜ私たちに『いつこっちに移住してくるの?』と二言目には尋ねてくるのですか?定住するのか、しないのか。二者択一を迫ってくる理由がわからないし、問い詰められる事が重荷になっている。このままではこの街が嫌いになりそうだ、本当は好きなのに」
彼らは長浜と大都市の両方に拠点があって、どっちがメインでもサブでもない。両方のバランスがあって自分の暮らしだと思っている。長浜には住みたいけど、ここに「だけ」住めと言われるのは無理だし、その理由もわからないというわけだ。
さらに彼らが街の人々に問い掛けた。
「なぜ『そんなことをしても儲からない』とか『この街でそんな仕事は無理だ』と言うのですか?私たちは儲けようと思ってないし、儲かる必要もない。生計は東京や大阪での仕事で立てているから。長浜では街に住んで、商店街や地元の人と交流し、地域の自然を味わいたいんです」
*この続きは雑誌「オルタナ」60号(第一特集「循環経済(サーキュラーエコノミー)はR(リサイクル)よりもR(リデュース)」、3月30日発売)に掲載しています。