小泉進次郎環境相は26日、伊藤忠商事、東レ、H&M、豊島など主要アパレル企業9社とオンラインで意見交換を行った。環境や生態系に配慮した「透明性」があるサステナブルなファッション産業を実現するため、行政と民間企業の連携を探った。ファッション産業の世界的なイニシアティブ「ファッション・パクト」への加盟も促した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

産業別のCO2排出量を見ると、ファッション産業は化石燃料に次いで2番手に位置する。製造プロセスでは大量の水を使い、シーズンごとに出る新作の半分は一度も着られずに処分されるというデータもある。
こうした課題から、サステナブルなファッションを促進する団体ファッションレボリューションジャパンは小泉環境相にファッション業界のサプライチェーンの透明化を求める提案書を7月13日に提出した。意見交換会はこの提案書を受けて実施された。
意見交換会に参加した企業は、伊藤忠商事、豊島、日本環境設計、倉敷紡績、東レ、帝人フロンティア、H&M、アダストリア、ファーストリテイリングの9社。各社の担当者がサステナビリティに関する取り組みを発表した。
近年のSDGsやESGの潮流を受けて、水やCO2などの環境負荷への影響について、消費者や株主から開示を求められており、どのような基準で開示していくべきなのかを議論した。
小泉環境相は、ファッションの透明性については、「できることだけを発信する方法では、国際社会には刺さらない。まず大きく打ち出すことが重要」と指摘。フランスが2019年のG7サミットで、ファッション業界が環境負担減を目指す協定「ファッション・パクト」を発表したことを例に挙げて、「ジャパンファッション・パクトなる協定を日本が打ち出すことも有効だ」と話した。