三菱ケミカルは4月12日、同社が開発した植物由来の生分解性樹脂を用いたフィルム「FORZEAS(フォゼアス)」が、海洋生分解性の試験で、1年間で約90%分解されたと発表した。同フィルムは、同社が開発した植物原料ベースの生分解性プラスチック「BioPBS」を使用したコンパウンド樹脂だ。(山口勉)

同社によると、試験は第三者機関が国際基準ISOに準拠した内容で実施した。試験に用いたのは厚さ25ミクロンのフィルムで、試験開始から200日で約50%、1年間は約90%が微生物の力で水と二酸化炭素に分解されることが確認された。
今回海洋生分解性が確認されたものと同じグレードのフィルムを使用したレジ袋が、大分県中津市のNPO法人中津まちづくり協議会に採用された。レジ袋としては初めての採用となる。
4月20日には中津商工会議所で「環境に優しいエコ袋寄贈式」が行われ、同協議会から中津市に2万3000枚が寄贈された。中津市内の小中学校の児童生徒にも配付される予定で、各家庭でもこのレジ袋をきっかけに環境問題を話題にしてもらい、中津市が進める「ごみの減量・資源化」にも貢献していく考えだ。
昨年7月から開始されたレジ袋有料化をはじめ、プラスチックに対する環境配慮への要求がますます高まっている。
同社は今回の試験結果及び中津まちづくり協議会への採用を足掛かりに、引き続き地方自治体や小売店で取り扱われるレジ袋やごみ袋、その他食品包装材等シングルユースのプラスチック製品への採用拡大に向けた取り組みを行なっていく。