中国の「一帯一路」広域経済圏構想では、すでに欧州、アジア・オセアニア、アフリカ、中南米など130カ国以上が政府間協定を結んだ。アフリカだけで40カ国に上る。そしてEVに不可欠なレアメタルも、「一帯一路」に多く存在する。好むと好まざるに関わらず、2035年、一帯一路の陸海運でEVやその原材料が行きかう日が朧おぼろ気げ に浮かび上がる。(オルタナ編集長=森 摂)

2021年8月15日。アフガニスタンからの米軍撤退とともにガニ政権が崩壊し、タリバンが瞬く間に全土を制圧した。外国人やそれに近いアフガニスタン人たちが首都カブールの空港になだれ込んだ映像が世界に流れた。
それより2週間あまり前の7月28日。タリバンの最高幹部であるアブドゥル・ガニ・バラダル氏が中国・天津市に入り、王毅外相と会談した。中国側の狙いは、米軍撤退後のアフガニスタンと関係強化し、対米、対インド外交で優位に立つこと。
だが、それだけではない。多くの専門家が指摘するのは、アフガンに眠るウラン、リチウム、銅、金などの鉱物資源だ。その額は「推定1兆ドル」(東洋経済オンライン)だ。特にリチウムは、リチウムイオン電池の電極として欠かせない。今後、量産が期待される「全固体電池」でもリチウムは不可欠だ。