オルタナは1月18日、有料会員向けのSBLセミナーをオンラインで開いた。児童養護施設出身のモデル・田中れいかさんをゲストに招き、社会的養護下の子どもに企業はどのような支援ができるのかをテーマに話し合った。(オルタナS編集長=池田 真隆)

オルタナでは、有料会員(SBL)向けに旬なサステナビリティトピックについてゲストとともに話し合うSBLセミナーを2021年から毎月開いている。今回で17回目を迎えた。
現在、国内には約600の児童養護施設があり、約2万5千人の子どもが暮らしている。厚労省の調査では、入所の平均年齢は6.4歳、平均在所期間は5.2年。58.3%が自立できる18歳まで過ごし、保護者のもとへ復帰するのは27.7%と3人に1人という割合だ。
施設卒園者・退園者の課題としては、進学に比べて就職する人の数が4倍にも及んでいることだ。進学率の14.0%に対して、就職率は62.9%にのぼる。親に頼ることができない環境にいるため、働かざるを得ないのだ。
この数値を高校卒業者と比べるとその差は一目瞭然だ。高卒者の進学率は51.9%で、就職率は17.9%に過ぎない。生活保護の受給率も高い。20代の受給率は0.37%だが、施設退所者に関しては6.64%と約18倍だ。
7歳から18歳まで都内の児童養護施設で暮らした田中れいかさんは、モデル活動やYouTubeなどを通して、社会的養護下の子どもの理解の輪を広げる活動を展開している。田中さんは企業に求める支援については、「カテゴライズ」「発信」「レッツゴー」の3つだと語る。