■記事のポイント
①Z世代が中心となり横浜で「気候フェス」開催、「ゼロエミ」を訴える
②リアル会場とオンラインで300人以上が参加、賛同団体は約20に上った
③トークセッション終了後は「気候マーチ」、小中学生がプラカードを振る姿も
市民団体「ゼロエミッションを実現する会・横浜」は8月21日、横浜・関内で「オールよこはま気候フェス」を開いた。当日はオンラインでも中継し、リアル会場と合わせて300人以上が参加した。若手を中心に企画した「気候フェス」をレポートする。(腰塚 安菜)

■気候アクショングループが横浜に集結した「フェス」
主催した「ゼロエミッションを実現する会・横浜」(ゼロエミ横浜)は2030年の温室効果ガス60%削減を求めて署名活動などを行う市民団体だ。運営母体はNGOグリーンピース・ジャパン。「オールよこはま気候フェス」は今年初開催となる。
実行委員団体にはNP法人気候ネットワーク、クライメート・リアリティ・プロジェクト・ジャパン(CRP)、大川印刷、パタゴニアなど9団体が参画する。その他、20以上の企業・組織が賛同団体として名を連ねた。
参加者の安田宏さん(東京在住)は「気候アクション」を起こしている。海からの温暖化対策を考えたいと思い、八景島の昆布の養殖グループを訪ねて以来、横浜の気候対策を支援している。
安田さんは、「あまり目を向けられていない、二酸化炭素による海水の酸性化という事実を伝えたい」と話した。運営スタッフから声がかかり、当日はトランペットと昆布を持参した演奏で「気候フェス」の一場面を盛り上げていた。
■市民・若手が主役となったプログラムとマーチ
プログラムは冒頭から20代が司会を進行した。「ハマっ子」の若手や女性が多かった。「ゼロエミ横浜」を発足した一人である共同代表の小林悠さんは筆者と同じ32歳だ。
第1部のトークゲストに登壇した建築家・竹内昌義氏は「これから建てる新築はZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)にすべき。既存の建物に関しては、少なくとも窓の見直しなど断熱化を強化すべき」と提案した。第2部には温暖化対策専門家の歌川学氏、市議会議員の山下正人氏が登壇した。「市民だけでなく、企業の力も合わせて、横浜の脱炭素化を進めたい」と話した。

第2部終了後は大通り公園・石の広場から、みなとみらいを臨む象の鼻パークを目指して「オールよこはま気候マーチ」が出発した。若者気候アクションのシンボル「Fridays For Future」は全国に広がっているが、横浜支部は立ち上げ間もない新しいグループだ。
警備隊が見守る中、メンバーがリードする。歌われたのは、馴染みの童謡で替え歌された横浜独自の気候ソングだ。グローバル気候マーチ定番の「コール」が呼びかけられた。
手拍子を叩き、口ずさむ筆者の隣でプラカードを振るのは、マーチの参加者で最も若いとみられる小中学生だ。 独自の環境施策で脱炭素化とまちづくりを推進する横浜市は「Zero Carbon Yokohama」計画を2018年に定めた。「2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロ」を目指す。

