記事のポイント
- 海外旅行予約アプリ「NEWT」でフライトのGHG排出量を「見える化」する
- 代理店だからこそ、旅行者への意識づけができる立ち位置を目指す
- 「見える化」を皮切りにして、将来的には体験を含めたパッケージに
令和トラベル(東京・渋谷)の海外旅行予約アプリ「NEWT」でフライトでのCO₂(GHG)排出量の表示機能を実装した。旅行を決める基準に「環境」を加えて、代理店として旅行者の意識喚起を行う。将来的には環境負荷の低減に寄与する体験やアクティビティなどを盛り込んだ旅行パッケージの提供も目指す。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

■1回のフライトの推計排出量を表示
NEWT(ニュート)は海外旅行予約サイト・アプリだ。アプリは2022年4月5日にリリースした。3つのステップで完了する簡潔さや、様々なテーマでツアーを探せることが特徴だ。幅広い年齢層の人たちが利用者となっている。
このほど、フライトで排出されるGHG排出量の推定値がわかる表示機能を搭載した。具体的には、経路と座席クラスに基づいて推定し、1回のフライトによって発生する排出量を1人あたりで計算したものとなる。
興味のあるツアーの詳細を見ると、フライト情報が確認できる。「行きのフライト」、「帰りのフライト」の情報のなかにGHG排出量の情報がある。

■「表示機能はスタートライン」、環境を特徴のひとつに
同社PRの大木優紀氏はきっかけについて「旅行を持続可能なものにしていきたい、その目標に向けてできることとして、最初の一歩が今回の『見える化』です」と話す。
コロナ禍は観光業界にとって大きなダメージとなった。一方で観光地の自然環境の改善につながった。ハワイ州観光局は公式サイトで「昨今の観光客の減少によって自然環境の改善や海洋ゴミの減少といった現象がハワイでも見られ、地球環境には良い一面もあった」と指摘する。
大木氏はこういった報道を目にして「自分たちが旅行することで、観光地にどういう影響を与えていたか、改めて考える機会になった」と振り返る。
業界内でも「SDGsへの貢献と持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)」が広がる。独立行政法人の国際観光振興機構(日本政府観光局、東京・新宿)も昨年6月に推進に向けた取り組みの方針を策定した。
大木氏はフライトのGHG排出量の表示機能によって、「環境改善に寄与するレスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行者)の層を広げて、観光を持続可能なものにしていきたい」と話す。今後もこのような環境を軸とした新機能やサービス開発に取り組んでいき、環境を「NEWT」の特徴のひとつにしていく方針だ。