記事のポイント
- 第一三共ヘルスケアが外資系リサイクル会社と薬の包装をリサイクル
- 包装は年間1万3000トン生産もリサイクルの仕組みが整っていなかった
- 初年度は30拠点に回収ボックスを設置する、回収エリアも順次拡大へ
第一三共ヘルスケア(東京・中央)はテラサイクルジャパン(横浜)と共同で、「おくすりシートリサイクルプログラム」実証実験を開始した。横浜市が協力し、初年度は同市中区で回収ボックスを設置する。初年度は30カ所に回収ボックスを設置し、リサイクルを進めるとともに課題を洗い出す。次年度以降はエリアの拡大を目指す。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

「おくすりシートリサイクルプログラム」実証実験は2023年9月30日までの期間、横浜市中区内の回収BOXで薬の包装材を回収する。回収ボックスは区内の薬局やドラッグストア、病院、公共施設などに設置する。初年度は30カ所での設置を目指す。
回収した包装材はプラスチックとアルミニウムに分離して、リサイクルする。廃棄物を新たな製品の原料とするマテリアルリサイクルで、救急箱やピルケース、ベンチなどのリサイクル製品化を目指す。
プログラムでは生活者参加型リサイクルを目指し、回収に協力するとテラサイクルジャパンが運営する「テラサイクルポイント」が獲得できる。回収量に応じてポイントが付与され、同社製品や環境保全活動への寄付などに使用することが可能だ。
「薬の包装材がリサイクル資源である」という認識はこれまで定着せず、また仕組みの整備も進まなかった。
業務推進部の阿部良サステナビリティ推進リーダーは「プラスチック資源循環促進法が施行され、資源循環への取り組みの機運が高まった」と指摘。薬の包装材は医療品包装資材であることから削減が難しく、今後も増加傾向が続く。プログラムを通じて「リサイクル可能であるという認知を高めていく」と意欲を示す。
来年9月30日までの1年目は回収を進めながら、課題の洗い出しなども行っていく。2年目以降は横浜市内でのボックス設置場所を増やし、エリアの拡大も検討する。将来的には企業の枠を越えた取り組みにしていきたい考えだ。