記事のポイント
- 医師の名知仁子さんは、ミャンマーで医療と農業の支援に取り組んでいる
- 自身の誕生日である1月31日は、孤児院に食事の寄付を続けて7年に
- 寄付と同時に歯磨き指導も行い、子どもたちの健康管理をサポート
私の誕生日である毎年1月31日は、孤児院へ食事の寄付をしています。誕生日は両親からいただいた命の大切さを今一度心に刻む日であり、感謝の気持ちを次世代につなぎたいという想いから始めた活動です。食後には歯磨き指導も行い、子どもたちが将来にわたって自分で自分の健康を守れるようサポートしています。 (NPO法人ミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会「MFCG」代表理事・医師・気功師・名知仁子)

孤児院は南西部のミャウンミャにあり、朝、昼、夜の3食を寄付しています。「お誕生日寄付」は2017年から始めて、今回で7回目になりました。食事と一緒にケーキも届け、ケーキカットをしています。楽しい思い出が、子どもたちのこの先の人生で何らかの形で役立てば良いと感じたからです。
孤児院には6歳から18歳までの男子約20人が暮らしており、運営は住民が善意で行なっています。ただでさえ経営が大変な上に、2021年のクーデターによる政変後は、白いご飯と野菜のスープが少しだけということも珍しくありません。
特に深刻なのは、輸入が途絶えて物価が高騰したことです。以前は5600円で26人分の3食を寄付できたのが、今回は16人分を寄付するのに7500円かかりました。それでも夕飯に鶏肉のカレーと茹でた野菜を届けることができて、正直安堵しました。お肉が食べられるのは一体、週に何回あるのだろうかと心配していたからです。
食後にはケーキをプレゼントし、ミャンマーの文化にのっとって誕生日の人(私)が、彼らの口に1口ずつケーキを入れて食べてもらいました。上座仏教のミャンマーでは、自分の誕生日に他人に分け与えるという風習があるのです。

最後は恒例の歯磨き指導で、正しい歯ブラシの使い方を伝えます。食事の寄付にとどまらず、子どもたちが自分で自分の健康を守れるよう保健衛生の指導も行うことは、私たちの大切な使命です。
指導を繰り返すうちに正しい磨き方は覚えてくれましたが、仕上げの舌の磨き方を忘れてしまう子どもが大部分です。やはり継続的な指導が大切なので、次は7月頃に再訪する予定です。
今回は宮城県のボランティア団体「国際ソロプチミスト・石巻サンファン」のご厚意で、子どもたち全員にタオルと歯ブラシを3本ずつプレゼントすることができました。
7年も通っていると友人どうしのように打ち解けて、彼らの未来が明るく輝くものであるように祈らずにいられません。MFCGはホームページやインスタグラム、フェイスブックで活動を伝えております。