
中部電力の水野明久社長は4日、定例記者会見を開き、国の要請で全機停止中の浜岡原発について「今夏は節電や天候不順などで何とか成り立ったが、今後も電力の安定供給ができるレベルではない。われわれとしては津波対策を着実に実施し、地元自治体にも丁寧に安全性を説明するに尽きる」として、再稼働にあらためて意欲を示した。
同社によれば、今夏の最大電力は8月8~10日の3日間平均の2502万kWで、昨年のピークより197万kW下回った。天候不順と市民の節電で100万kw、トヨタなど自動車産業を中心とした操業調整で260万kWの最大電力減少効果があったとみる。
12月から来年2月までの冬期は火力発電所の定期点検期間を短縮するなどの対策をとるが、電力供給の余力を示す予備率は適正規模の8~10%に届かず、7%程度にとどまると見込む。ただし、水野社長は「夏ほど厳しくはならず、操業調整をお願いすることまでは考えていない」と述べた。(オルタナ編集委員=関口威人)