記事のポイント
- EUは2030年の再エネ比率の義務的目標を「42.5%」に引き上げた
- さらに野心的な目標45%を目指すことも奨励されている
- 背景には、気候変動対策とロシア産化石燃料からの脱却がある

欧州連合(EU)理事会と欧州議会は3月30日、2030年の再生可能エネルギー比率の義務的目標を従来の「32%」から「少なくても42.5%」に引き上げることで合意した。さらに野心的な目標45%を目指すことも奨励されている。背景には、気候変動対策とロシア産化石燃料からの脱却を図る狙いがある。(オルタナ副編集長=吉田広子)
EUは2021年、2030 年までに温室効果ガス(GHG)排出量を 1990 年比で55%以上削減するという目標を達成するための政策パッケージ「Fit for 55」を採択した。2022年2月、ロシアがウクライナへの侵攻を開始すると、ロシア産化石燃料から脱却するための計画「リパワーEU」を発表し、再エネシフトを加速させようとしてきた。
欧州委員会は、「今回の合意は、自国産の再生可能エネルギーを拡大することで、GHG排出量を削減するとともに、エネルギーの自立を実現する。時間の経過とともにエネルギー価格は低下し、輸入化石燃料への依存度は低下するだろう」としている。
日本政府は、第6次エネルギー基本計画で、2030年度の電源構成で、再生可能エネルギーを36~38%にすることを目標にしている。