記事のポイント
- 環境NGOは、G7閣僚に対し、「2025 年までにLED照明への移行」を要請
- 「水銀に関する水俣条約」では、水銀添加製品の段階的廃止が決まった
- しかし、日本政府は消極的な姿勢を示している
クリーンライティング連合(CLiC)、気候行動ネットワーク(CAN)、気候ネットワークはこのほど、G7 閣僚に対し、「2025 年までに全世界がLED照明に移行する」ことを要請する意見書を提出した。気候変動対策に加え、水銀から人の健康や環境を保護することが目的だ。(オルタナ副編集長=吉田広子)

水銀から人の健康や環境を保護することを目的とした「水銀に関する水俣条約」が2017年に発効した。
2022年に開かれた第4 回水俣条約締約国会議(COP4)で、電球形蛍光ランプなどの8種類の水銀添加製品について2025年末までに製造・輸出入が廃止されることになった。しかし、直管形蛍光ランプなど4種類の廃止期限は設けられなかった。
第 5 回水俣条約締約国会議(COP5)は2023 年 10 月に開催される。環境NGOは、日本と日本照明工業会(JLMA)から提出された段階的廃止時期を遅らせる案を問題視している。
クリーンライティング連合の報告書によれば、2030 年まで5年間遅れた場合、失われる削減効果は約 2倍になり、水銀82トン、電気代にして66.9兆円(5兆米ドル)以上の削減の損失が発生するという。
2025 年に世界すべての蛍光灯が廃止された場合、2050 年までに累積3.3ギガトンのCO2 排出が回避され、電気代にしておよそ約179兆円(1.34 兆米ドル)の節約が見込まれるという。