東急モールズとクラダシ、フードロス削減と街づくりで連携

記事のポイント


  1. 東急モールズデベロップメントとクラダシが、事業連携
  2. 「街づくり」と「フードロス削減」という互いの強みを活かして社会課題解決
  3. 5月26日、東急モールズの商業施設にクラダシ初の常設店舗を開設

東急モールズデベロップメント(東京・渋谷)とクラダシ(東京・品川)は5月23日、「フードロス削減とサステナブルなまちづくり」で事業連携を行うと発表した。5月26日には東急モールズが運営する「たまプラーザテラス」(神奈川・横浜市)に、クラダシ初の常設店舗を開設する。(オルタナ副編集長・長濱慎)

左から、クラダシの築地雄峰氏、関藤竜也社長、東急モールズデベロップメントの佐々木桃子社長、青木太郎氏(「東急モールズデベロップメント×クラダシ」事業連携発表会で)

東急グループの一企業である東急モールズデベロップメントは、東急電鉄沿線でショッピングセンターなどの商業施設運営を行う。サステナビリティアクションとして「循環型社会の実現、子どもの笑顔をつくる、脱炭素社会の推進」の3つを掲げ、社会課題の解決を目指す。

クラダシは「日本で最もフードロスを削減する会社」をビジョンに掲げる。賞味期限が近づい食品などをメーカーから仕入れ、オンラインストア「KURADASHI(クラダシ)」で販売し、収益の一部を社会貢献活動に寄付する。2023年3月末現在、オンラインの会員数は累計46万人、パートナー企業は1300社を超えた。

事業連携の一環として5月26日、東急田園都市線・たまプラーザ駅に直結する商業施設「たまプラーザテラス」に、クラダシ初の常設店舗をオープンする。

店舗ではオンラインストアの売れ筋商品だけでなく、沿線の横浜・青葉地区の農家から仕入れた規格外野菜や、食品と同じくロスが問題になっている化粧品も販売する。ケース販売が基本のオンラインに対し、1点単位での販売を行う。

オンライン同様に、商品購入金額の一部を社会貢献活動に寄付できる。店頭には支援先団体の一覧が表示されており、ユーザーが会計後に支援先を選択する。ウクライナと、地震で被害を受けたトルコへの緊急支援も検討しているという。

クラダシ初の常設店舗が東急田園都市線・たまプラーザに

東急モールズデベロップメントの青木太郎・執行役員・営業本部本部長は、連携の背景をこう語る。

「東急グループは先進的な街づくりを行ってきた歴史があり、たまプラーザの街も約70年前に始まった『多摩田園都市計画』から生まれた。グループの調査では沿線住民のSDGs認知度が90%に達しており、クラダシの店舗がサステナビリティにつながる何らかのアクションを起こすきっかけになってくれたら嬉しい」

クラダシの築地雄峰・経営戦略室室長は、今後の展望をこう語る。

「クラダシはこれまでも各地で、フードロスをテーマにしたポップアップ企画を行ってきた。中でも東急線沿線は反響が大きく、住民の環境や社会への意識が高い印象が強い。たまプラーザ店に力を注ぎつつ、常設店舗の水平展開なども視野に入れていきたい」

S.Nagahama

長濱 慎(オルタナ副編集長)

都市ガス業界のPR誌で約10年、メイン記者として活動。2022年オルタナ編集部に。環境、エネルギー、人権、SDGsなど、取材ジャンルを広げてサステナブルな社会の実現に向けた情報発信を行う。プライベートでは日本の刑事司法に関心を持ち、冤罪事件の支援活動に取り組む。

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キーワード: #SDGs

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