記事のポイント
- 日立や3メガバンクなど9社がESG情報の共通プラットフォーム構築へ
- これまでESGの開示データは情報収集や企業間の比較が困難だった
- 上場企業と運用機関が直接コミュニケーションできる場をつくる
日立製作所やメガバンク3行などの9社はESG情報の共通プラットフォームを構築する。運用機関にとって、これまでESGの開示データは情報収集や企業間の比較が困難だった。プラットフォームを構築して、上場企業と運用機関が直接コミュニケーションできる場をつくる。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

■開示ルールや評価手法の共通基準の未整備が背景に
プラットフォームの名称は「サステナブルファイナンスプラットフォーム(仮称)」。今秋からプラットフォームのベータ版サービスの提供を始める。上場企業と運用機関のエンゲージメントの促進を目指す。今回の構想は22年7月から検討を進めていた。
事業構築に参画するのは日立製作所のほかに、あいおいニッセイ同和損害保険(東京・渋谷)、損害保険ジャパン(東京・新宿)、東京海上日動火災保険、日本生命保険、みずほ銀行、三井住友海上火災保険(東京・千代田)、三井住友銀行、三菱UFJ銀行の9社となる。
プラットフォームをつくる背景には、ESGに関する開示データについての国際的な開示ルールや評価手法の共通基準が未整備であることが挙がる。
そのため上場企業は様々な開示方法や項目に対応するために膨大な作業を強いられ、運用機関は各企業によって開示データが異なることから情報収集や企業間での比較評価が困難となっていた。
■重視したのは上場企業と運用機関のエンゲージメント