
H&Mはこのほど「サステナビリティ・レポート2011」を発表し、オーガニックコットンの使用量や水の削減量、バングラデシュでの就労訓練などについて報告した。
ファストファッションブランドとして認識されているH&Mだが、環境先進国・スウェーデン生まれで、「成長と高収益性の維持には、社会と環境の両面でサステナブル(持続可能)な方法で事業を運営することが重要だ」と明言している。
オーガニックコットン栽培推進団体のテキスタイル・エクスチェンジの調査によると、2010年にH&Mが使用したオーガニックコットンは1万5000トンにのぼり、世界で最も多い。
2位はベルギーのC&A、3位には米国のナイキが入り、日本メーカーはトップ10位に入っていない。H&Mは、2020 年までにオーガニックコットン、リサイクルコットンなど持続可能な方法で生産された素材に切り替えることを目指している。
さらに、H&Mは2011年、デニム生産での水の使用量を3億リットル削減(2010年比)したり、230万点以上の衣料品をユニセフを通じて慈善活動に寄付したりするなど、環境負荷の低減に取り組んでいる。
H&Mの重要な調達市場であるバングラデシュでは、アパレル産業で働く人の生活向上に力を入れ、バングラデシュの長期社会発展を支援する計画を打ち出した。2008年から展開してきた就労訓練では、これまでに44万人以上が訓練を修了したという。
H&Mのカールーヨハン・パーションCEOは、「デザインから生産、販売にいたるまで人と環境に配慮している。社会と環境に対する責任感から、ファッション業界としては最先端のサステナビリティ活動を展開している」とコメントしている。(オルタナ編集部=吉田広子)