記事のポイント
- カナダの人権調査機関がラルフローレン・カナダを調査することを公表
- ウイグル人強制労働に関与している疑いがあると、市民団体が苦情を申し立てた
- 7月には、ナイキ・カナダと鉱山会社ダイナスティ・ゴールドの調査を始めた
カナダの人権調査機関COREはこのほど、アパレルのラルフローレン・カナダLP (RLCLP)が、ウイグル人強制労働に関与している疑いがあるとして、調査を開始すると発表した。28の市民団体による苦情申し立てを受けての対応だ。7月には、ナイキ・カナダと鉱山会社ダイナスティ・ゴールドの調査を始めた。(オルタナ副編集長=吉田広子)

COREは、カナダ国外で縫製、鉱業、石油・ガス分野で事業を行うカナダ企業に対し、サプライチェーン上の人権侵害を調査する機関だ。カナダ政府が2019年に立ち上げた。企業に「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に対応するように求める。
ラルフローレン・カナダに関する申し立てを行った市民団体は、RLCLPが、エスケル・グループから、26件の貨物をカナダに輸入したことを示す船荷証券を提出した。
エスケル・グループは、香港に拠点を置く世界最大級のシャツメーカーで、新疆ウイグル自治区に工場を持つ。米国商務省産業・安全保障局(BIS)は2020年7月、貿易上の取引制限リストに同社を加えた。
一方、親会社である米ラルフローレンは、「糸、織物、製品を新疆ウイグル地区から調達していない」と否定し、「RLCLPは子会社であり、意思決定に責任がないため、CORE には管轄権がない」とコメントしている。